いろいろ備忘録

格ゲーとか普通の日々をいろいろ。TRPGのシナリオとか載せたりもしたり本当にいろいろあります。

【マギカロギア】名前をなくした日【シナリオ配布】

▼シナリオトレーラー
貴方が名前をくれた
それは特別なもので愛しいもの
貴方が名前を呼んで
それは甘やかで美しいもの

だから、私は忘れてしまったの?

欲しいのは名前じゃなくて
本当に欲しいのは、なんだった?

【名前をなくした日】
(ごめんね、さようなら)

▼シナリオ概要
・第四階梯、第三階梯(継続)向け
・PL:3人
・サイクル:3サイクル
・三単語禁書
・書籍卿との戦闘が予想されます
・基本ルルブ、黄昏の蔵書を一部エネミーに適用
・運命変転表:精神的災厄
・アンカーをあまり増やしたくないPC向け


禁書【無題の祝福】
断章【無題】【祝福】【刹那】

禁書ステータス
攻撃力4 防御力4 根源力4
魔力19(一時的魔力なし)
領域:夢 特技:追憶、幻、太陽、牙、花、絶望
―蔵書―
【悪鬼召喚《可変》】【騎士召喚《花》】【魔剣召喚《幻》】
【浄化】【剣舞】【魔刃】【召撃】


魔法災厄
名前を忘れてしまう魔法災厄
愚者達の間で自分の名前を忘れてしまう魔法災厄が発生している。

▼シナリオ基幹
雪成市の愚者達が「自分の名前を忘れる」という不可解な現象が起きている。
大法典は禁書による魔法災厄であると判断。
この魔法災厄を起こした禁書は過去、暗闇文庫に保管されていた【無題の祝福】だということも判明している。

この禁書の魔法災厄は「自分の名前を忘れる」というものだ。
加えて魔法災厄が進行すれば「他人の名前も忘れてしまう」ということもある。
その場合「その人にとって一番、大切な人」や「一番、忘れたい人」などになるようだ。



▼登場NPC

▽睦月 叶実(むつき かなみ)
ハンドアウト
・数日前に事故で記憶喪失になっている少女
・自分の名前はおろか、家族、友人、自分に関わる全ての記憶を失っている
・しかし、貴方(導入PC)のことだけは覚えているようだ

▼睦月 叶実(むつき かなみ)
【秘密】
・断章【無題】に憑依されている
・憑依深度0
・【睦月叶実】という愚者は存在しない
・禁書【無題の祝福】と誰かの願いによって【睦月叶実】という存在が生まれたのだ
・この秘密が公開されると【金盞花の庭】が公開される

▼断章【無題】/ステータス
攻撃力3 防御力4 根源力4
魔力7
領域:夢 特技:追憶、太陽
―蔵書―
【悪鬼召喚《可変》】
【浄化】


▽金盞花の庭
ハンドアウト
・雪成市のどこかにあるという植物園
・しかし、地図にも載っておらず市の誰に聞いても知らないというのだ


▼金盞花の庭
【秘密】
・断章【刹那】に憑依されている
・憑依深度3/封土
・かつて雪成市に住んでいた魔法使いが住んでいた土地だが魔法使いが消滅し、その魔力が残っていたところに断章【刹那】が憑依してしまう

▼断章【刹那】/ステータス
攻撃力3 防御力2 根源力3
魔力5+一時的魔力5
領域:獣 特技:牙、花、絶望
―蔵書―
【騎士召喚《花》】
剣舞
【魔刃】
※魔法戦開始時に【魔剣召喚《牙》】がされる


▽田代 晶(たしろ あきら)
ハンドアウト
・医者を目指す大学生だが時折、自分の名前を忘れては友人達にからかわれている
・将来は医者である父親が営む病院を継ぐことを夢見ている


▼田代 晶(たしろ あきら)
【秘密】
・【田代晶】という愚者は存在しない
・魔法災厄と誰かによって生まれた存在である
・この秘密が公開されると【幾瀬彰】を公開する
・また、この秘密が第2サイクル終了時までに公開されなかった場合、眷属として断章【祝福】戦に召喚される
☆眷属《絶望》の精霊となる


▽幾瀬 彰(いくせ あきら)
ハンドアウト
・雪成市で病院を営む男性
・容姿が【田代晶】に酷似しており、彼が老いた姿のようで大体30代程に見える

▼幾瀬 彰(いくせ あきら)
【秘密】
・彼は《旧世界秩序》の書籍卿だ
・【田代晶】とは彼が愚者として活動する為の仮初の肉体である
・【幾瀬彰】というのも仮初のものである為、本物の姿、本当の名前すら本来は不明である
・彼自身に目的はなく「学派の命令」でのみ動いている

▼幾瀬 彰【Untitled】/ステータス
攻撃力4 防御力4 根源力4
魔力7
領域:闇 特技:深淵、不幸、幻、円環、混沌
《魂の特技》空白
《真の姿》焦げた本/魔力解放
―蔵書―
【緊急召喚】【魔剣召喚《深淵》】
双剣】【呪怨】【幻影】【召酔】【外套】


能登 湊(のと みなと)
ハンドアウト
・雪成市の図書館で司書をしている女性
・最近、恋人が出来たがその名前を時折、忘れてしまうというのだ
・また、ここ数年の記憶が途切れ途切れになっているという

能登 湊(のと みなと)
【秘密】
・断章【祝福】に憑依されている
・憑依深度0
・【能登湊】という愚者は存在しない
・禁書【無題の祝福】が依代として作り出した架空の存在である

▼断章【祝福】/ステータス
攻撃力4 攻撃力4 根源力3
魔力7
領域:夢 特技:幻、絶望
―蔵書―
【魔剣召喚《幻》】
【召撃】


▼山札
シナリオアンカー
睦月叶実、田代晶、能登湊 3枚
その他
金盞花の庭、幾瀬彰 2枚


▼導入フェイズ

▽【名前のない人】睦月叶実
推奨PC:特になし
貴方には記憶喪失になったとある友人がいる。
彼女は自分のこと、家族、友人といった自分に関わる全ての人のことを忘れている。
しかし、何故か貴方のことだけは忘れずにいたのだ。
「自分のことも、家族のこともわからないのにどうしてか貴方のこと(PC名)だけは覚えているのどうしてかしら……」
叶実は病室のベッドの上で悲しげに窓の外を眺めている。
ハンドアウト【睦月叶実】を公開。
推奨属性:特になし


▽【名前の揺れる人】田代晶
推奨PC:天涯PC
貴方の知り合いに医者を目指す大学生【田代晶】がいる。
彼はここ数日で自分の名前を忘れてしまうというおかしな症状に悩んでいる。
加えて自分によく似た男性がいろんな時代を行き来している夢をよく見ているという。
「なんで自分の名前なのに忘れるんだろう? それにあの夢……はぁ、なんなんだ……」
彼はため息をはきながら話してくるでしょう。
ハンドアウト【田代晶】を公開。
推奨属性:興味固定


▽【名前を探す人】能登
推奨PC:特になし
貴方が外出をしている時にとある男女二人に出会う。
何やら言い争いをしているようだった。
男性が「どうして俺を忘れるんだ? 俺のことが嫌いなのか?」
悲しげに男性がそう言う一方で女性は泣きそうな表情を浮かべている。
「わからないの、貴方のことがどうしても名前だけを忘れてしまうの……ごめんなさい、ごめんなさい……」
女性はついには涙を流してしまい、男性は困ったように彼女の手を握ります。
ハンドアウト能登湊】を公開。
推奨属性:興味固定


▼共通導入フェイズ
大法典に召集されるシーンになります。
貴方達は「雪成市」で起きている魔法災厄の解決と禁書の回収を命令されます。

回収対象の禁書は【無題の祝福】です。
この禁書は「自分の名前を忘れてしまう」という魔法災厄を生み出す力を持っています。
また、魔法災厄が進行すれば「他人の名前も忘れてしまう」ということもある。
その場合「その人にとって一番、大切な人」や「一番、忘れたい人」などになるようだ。

禁書【無題の祝福】は過去、暗闇文庫に保管されていたが大破壊時に紛失しており、ようやく魔法災厄と存在が確認された。

説明役の魔法使いは最後にこう貴方達に告げます。
「目の前にある存在が全て”真実”とは限りません。貴方達が知っているもの、人、場所……それらから目を逸らさずにいてください」
※説明役の魔法使いは天涯所属がいいかもしれません。

魔法使いはそれだけ告げ、貴方達を見送るでしょう。


▼マスターシーン
【悲観に染まる庭】
ハンドアウト【金盞花の庭】公開時に挟んでください。
睦月叶実を調査した瞬間に何処からか金盞花の香りがする。
それは近くて遠い……そんな場所のようではっきりとはわからない。
しかし、貴方にとっては懐かしいものに感じられるそれは酷くぼんやりしているが「黄色とオレンジの花が咲く場所」だとしだいにわかってくる。
※貴方=睦月叶実をシナリオアンカーにしているPC
ハンドアウト【金盞花の庭】は全体公開で大丈夫です。


【重なる面影】
ハンドアウト【幾瀬彰】を公開時に挟んでください。
【田代晶】を調査した後に彼は一人の男性と親しげに話している。
会話を聞き取れば彼の名前が【幾瀬彰】であることがわかる。
ただ、話しているだけなら不思議ではない。
しかし、【田代晶】と【幾瀬彰】は似ているのだ。
雰囲気ではなく『容姿』が酷く似ている。
言うなら【田代晶】が少し老いたような……30代くらいにしたのが【幾瀬彰】の姿だ。
会話は大学での勉強についてや今度、実習へ行くなどだ。


▼登場NPCについて

▽睦月叶実
かつて存在していた魔法使いの思いが禁書の力によって【睦月叶実】という新しい存在を生み出した。
彼女の姿はかつての魔法使いのに酷似しているがPC達にはわからない。
彼女をシナリオアンカーにしたPCだけを覚えているのはPCが魔法使いであるからだろう。

しかし、【睦月叶実】をシナリオアンカーにしているPCは秘密が公開された時や戦闘中、戦闘終了後にぼんやりと消滅した魔法使いの面影を見るかもしれない。

だが、消滅した魔法使いは誰の記憶にも残らない。すぐにPCは気の所為と思うだろう。
どのような反応をするかはPC次第だ。


▽田代晶
書籍卿【幾瀬彰】が愚者として活動する為の肉体である為、完全に存在し得ないとは言いきれないがシナリオが終われば、世界から【田代晶】という愚者はいなくなる。

秘密の”誰か”とは幾瀬彰である。
【田代晶】が見る夢は【幾瀬彰】の魔法使いとしての姿だ。


▽幾瀬彰
《旧世界秩序》に所属している書籍卿だ。
常にいろんな場所、時代を渡り歩いており、その姿、年齢は一定ではない。
それ故に学派内では魔法名【Untitled】もしくは【名無しの旅人】と呼ばれている。

【幾瀬彰】という名前も仮初でしかなく、本名は存在しない。
噂では名前を忘れた、失くした、その為にいろんな場所や時代を旅しているらしい。

性格は比較的穏やかで争い事はあまり好まない。
セッション中も彼から魔法戦を挑むこともなく、あくまで学派からの命令としか答えない。


能登
禁書が断章として活動する為に作り出した依代
ハンドアウトの記憶が途切れ途切れになっているのは依代として不完全な状態だから。
憑依深度がないのも依代であるからだ。

能登湊】としては引っ込み思案な部分があるが誰にでも隔てなく優しい性格をしている。


▼シナリオアンカー達の結末
このシナリオのシナリオアンカー達は全員が「世界に存在していません」
故にセッション終了後にアンカー欄から消去してください。
ただし、疵にはなりませんのでご安心ください。

彼らの願いは共通して【本当の自分を知りたい】になります。
これを叶えるには断章を回収後やエピローグで彼らに会いに行き、「本当は貴方は存在しない」ことを伝えてあげてください。
願いを聞いた時のRPで伝えるのも良いかもしれません。
それはPC達の自由にしてください。


ここまで閲覧していただきありがとうございます。
前回の「夢愛しの繭」同様に第四階梯向けのシナリオになっています。
もしくは第三階梯を継続して2回使用したPCにオススメです。

シナリオタイトルコンセプトは「もし、自分の名前を忘れることがあったなら」「名前を忘れる時ってどんな時?」とちょっと取っ付きにくい感じになってます。

NPCの秘密を読むとわかるのですがこのシナリオでは「シナリオアンカーは必ずセッション終了後に消去する」前提です。
あまりアンカー欄を埋めたくないというPC向けでもあります。

回す時は必ずこのことをPLにお伝えして了承を得てください。



最後にこのシナリオの著作権は壱村在にあります。自作発言などは一切、禁止しております。
それでは皆さんの楽しい魔法使いライフを願っております。


初掲載(はてなブログ):2018.10.10
壱村 在
Twitter:itimura_ari